2018
7月
23日

写真読書

赤ひげ

黒澤明監督『赤ひげ』DVDを観る。
1965年(昭和40年)の作品、もちろんモノクロ、185分。

出演 三船敏郎・加山雄三・香川京子・山崎勉・内藤洋子・杉村春子~出演俳優さんの若い頃の姿にびっくりしたり感動したり。特に、加山雄三の精悍な姿には驚く。
今年2018年だから、53年前の作品ということだ。53年前…。

原作 山本周五郎「赤ひげ診療譚」、江戸時代中期(幕府が作った無料の医療施設)小石川養生所が舞台だ。現在の小石川植物園だ。正式名称は「東京大学大学院理学系研究科付属植物園」…何だか舌をかみそうな名前。

ここを訪ねたのは新緑の季節5月。カメラを抱えて。
静か、広い、緑が美しい、空気が美味しい、気持ちが落ち着く~。

この植物園の中央あたりに、実在した小石川養生所の井戸が残されている。江戸時代、確かにこの場所に養生所があり、映画に登場していた貧しい人々がこの土を踏んでいたのだと思うと、感慨深いものがある。

映画の中で、養生所で働く賄いのおばさん達が、この井戸の中に向かって呼びかけるシーンがある。
「ちょう坊!ちょう坊!帰ってこい!」生死を彷徨っている子供を呼び戻すために。

「赤ひげ診療譚」に『井戸は地面の底へ続いてますからね、死にかかっている者をああやって呼べば、こっちへ帰って来るっていうんですよ』と井戸に向かって叫ぶ女達の姿が書かれている。

その井戸が今も残されている。やはり趣のある場である。
秋になったらカメラを抱え、またここを訪ねてみよう。

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