
数年前、亡くなった両親の荷物整理をしていた妹から送られてきた品々。
昨日、本棚からちょこんと顔を出していたこの文集。

小学校四年生、10歳のわたし。
時は昭和39年。東京オリンピックが開催された1964年、10歳のわたし。
60年前の私に出会った気分だ。

「わたしの家の猫」
わたしの家のねこは、とてもかわいい。
わたしが学校からかえってくると、「ニャオーン。」といって
げんかんまで出てくる。
わたしが、カバンをおろすとカバンの中に顔をつっこんで、
「ニャーオーン、ニャーオーン。」となく。
わたしは、「よもちゃん、きょうはパンをのこしてこないのよ。」
というと、またカバンの中に顔をつっこむ。
………
よもちゃんのねている顔をじっと見つめていたら、よもちゃんも
人間でしゃべられるようになったらいいなあと思った。
わたしは、よもちゃんがロボットで口がきけるといいなあと、
いつも思います。

『なーんだ!お母さん!』
『僕にいつも言っているのと同じ事を言っているよ!』
『60年前のお母さんに会った気分(笑)』